潜在意識は応える!「知ろう」とすること

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「知ろう」とする姿勢が潜在意識を動かす理由

私たちの脳は、一見「無意識のまま働いている」ように思えますが、実際には意識のフォーカス次第で拾う情報がまったく変わる仕組みを持っています。その代表が、脳幹にある RAS(網様体賦活系) と呼ばれるフィルター機能です。

普段、膨大な情報が五感から入ってきていますが、すべてを処理していては脳はパンクしてしまいます。そこでRASが「必要な情報」と「不要な情報」を仕分けしてくれているのです。

ここで大切なのが「知ろう」という姿勢。
「もっと知りたい」「理解したい」と意識を向けた瞬間、脳はその情報を“必要”と判断し、外の世界から関連する情報を無意識に拾い始めます。

例えば、新しい車を買おうと決めたら、街中でその車種ばかり目につくようになった経験はないでしょうか。これはまさに「知ろう」とした意識が、潜在意識のフィルターを動かした結果です。

同じように、「健康についてもっと知りたい」と思えば、何気なく見た記事やSNSの投稿が役立つ情報に変わりますし、「人間関係を良くしたい」と思えば、相手の小さな表情や言葉の裏にあるニュアンスに気づけるようになります。

潜在意識は、まるでインターネットの検索エンジンのようなものです。キーワードを入力しなければ、情報は表示されません。逆に、「知ろう」という検索ワードを投げかけた瞬間から、脳は答えを探し始め、現実の中から必要な情報を浮かび上がらせてくれるのです。

問いかけが未来をつくる

「どうすればうまくいくだろう?」
「なぜ自分はこの状況にいるのだろう?」

──こうした問いかけは、一見するとただの思考のつぶやきのように感じるかもしれません。しかし脳科学的に見ると、この「問い」が未来を形づくる大きな力を持っています。

なぜなら、人間の脳は「答えを探す習性」があるからです。質問を投げかけられると、脳は自動的にその答えを探し始めます。これを心理学では 「認知的閉合欲求」 と呼びます。人は「わからない状態」に耐えられず、「知りたい」という衝動に突き動かされるのです。

つまり、自分自身に投げかけた問いは、潜在意識を通して現実に影響を与えます。
たとえば、「なんで私はダメなんだろう?」と問えば、脳は“ダメな理由”ばかりを探し始めます。反対に、「どうすればもっとよくなるだろう?」と問えば、改善につながる情報や行動のヒントを自然と拾い始めるのです。

これは、RAS(網様体賦活系)の働きとも深く関わっています。問いを立てることで「探す対象」が明確になり、脳は外界からその答えらしき情報をキャッチしやすくなります。

たとえば、就職活動中の学生が「どんな企業が自分に合うだろう?」と問いかけていると、普段はスルーしていた求人広告やニュース記事に目が留まり、そこから新しいチャンスに出会うことがあります。これこそ問いが未来を動かした一例です。

問いかけはただの思考ではなく、潜在意識に「検索ワード」を与える行為。そして脳は、その問いに応えるように、現実世界の中から必要なピースを集め始めるのです。

潜在意識に応えてもらう日常習慣

潜在意識は特別なときだけ働くものではありません。日常のちょっとした習慣の中で「知ろう」という姿勢を持ち続けることで、自然に応えてくれるようになります。ポイントは 小さな問いを生活の中に散りばめること です。

1. 朝の「問いかけ習慣」

朝は脳がリセットされた状態にあり、意識の方向性を決めるのに最適です。
「今日はどんな気づきがあるだろう?」
「誰に感謝できるだろう?」
──こんな軽やかな問いを投げかけるだけで、脳はその答えを探しながら一日を過ごすようになります。

2. メモや日記に「なぜ?」「どうすれば?」を書く

紙に問いを書き出すと、潜在意識により強くインプットされます。書いた瞬間に答えが出なくても、数時間後や数日後に「ふと」答えが浮かぶのは、脳が裏側で検索を続けていた証拠です。

3. 深呼吸で雑念をリセットする

脳は情報過多になると、自動思考(ネガティブ思考のループ)に引き込まれやすくなります。そんなときは深呼吸を数回するだけで、前頭前野が活性化し、冷静に問いを立て直すことができます。

4. 「小さな成功」を見逃さない

潜在意識は、ポジティブな学習によってどんどん柔軟になります。たとえば、「今日は新しい視点に気づけた」「一つ答えが見つかった」と気づくたびに、自分を承認することが大切です。これにより脳は「探せば答えが見つかる」という回路を強化していきます。


日常習慣の積み重ねは、潜在意識との信頼関係を築くプロセスです。
「問いかけてみれば、必ず何かが返ってくる」という体験を重ねるほど、潜在意識はますます応えてくれるようになります。