惜しみなく自分を扱うと現実が勝手に動き出す

全自動の法則

「面倒くさい」は脳の現状維持システムの罠

一手間かけることで、RAS(脳のフィルター)が「豊かさモード」に切り替わる

私たちがよく感じる「面倒くさい」という感情。
実はこれ、脳が変化を避けようとする“現状維持システム”の働きによって引き起こされる自然な反応です。

脳は「今このままが安全」と判断しているため、新しい行動や丁寧な習慣、小さな手間をかけることさえもリスクとみなしてブレーキをかけてきます。
「やらなくても困らないし、まあいいか」
そうして、私たちは自分のことを後回しにし、自分への愛もケアも遠ざけてしまうのです。

けれど、この“面倒くさい”の壁を一つ超えると、脳の働きが変わってきます。
その鍵となるのが、RAS(網様体賦活系)という脳のフィルター機能。

RASは、膨大な情報の中から「自分にとって重要なもの」だけを無意識に選び取って、意識のスクリーンに映し出しています。
そしてこのRASは、「自分はどんな存在だと脳が認識しているか」によって、見る現実を選びはじめるのです。

たとえば、
・乱れた部屋に慣れていると、整った空間に違和感を感じる
・適当に食事を済ませる習慣があると、丁寧に料理を作ることが無駄に思えてしまう

これは、「私は雑に扱われるのが当たり前」という自己認識を脳が採用している状態。
でもここで、自分のために少しだけ手間をかけてみる。
・朝、お気に入りの器で白湯を飲む
・肌に優しいクリームをていねいに塗る
・ベランダで深呼吸してから出かける

そんな“一手間ふた手間”の行動が、RASに新しいメッセージを送ることになります。

「私は大切にされる存在なんだ」
「私は気分よく過ごす価値がある」
この認識が、RASを“豊かさモード”に切り替えていくのです。

その結果、現実に起きる変化も変わっていきます。
丁寧な人や、優しい出来事、豊かな循環が、まるで今まで見えなかったかのように入ってくるようになります。
つまり、「現実が動き出す」わけです。

快・不快に敏感になると、神経系が安心し、行動が変わる

– セルフケアが自己肯定感と現実創造力を底上げする仕組み –

現実を動かす力の土台には、実はとても繊細で正直な「体の感覚」があります。
特に重要なのが、“快”か“不快”かという感覚にどれだけ自分が敏感でいられるかということ。

私たちの神経系、とくに自律神経や迷走神経(安全・安心を感じる神経のネットワーク)は、心地よさや不快さに常に反応しています。
しかし忙しかったり、自分を後回しにする癖があると、「ちょっと無理してる」「これ嫌だな」という微細なサインを無視してしまいがちです。

その無視の積み重ねが、脳と神経系に「私は我慢するもの」「私は後回しにされる存在」という信号を送り続けてしまいます。
結果、どんなに引き寄せや願望実現を学んでも、土台となる神経系が“危機モード”になっていて、エネルギーが前向きな行動に回らない。

でもここで、「快・不快」に素直に反応し、自分を丁寧に扱い始めると何が起きるか?

たとえば

  • 「今日はこの服じゃ落ち着かないな」と思ったら着替える

  • 「ちょっとカフェインは今いらない」と感じたらやめてみる

  • 「本当は5分休みたい」と思ったらその声に従う

このように、魂と身体が発している“快のサイン”にすぐ応えることで、神経系が安心し、身体と脳が「ここは安全」「自分は守られている」と感じ始めます。

この「安心」が、実はすべての現実創造の起点になるのです。

安心した脳は、未来を想像する余裕を持ち、
安心した神経系は、直感や創造力を目覚めさせ、
安心した身体は、軽やかに行動できるようになる。

つまり、「快・不快の感覚に忠実になること」は、
単なる気分優先ではなく、自分の現実創造力を取り戻すための最重要ポイントなのです。

脳が「私は大切にされている」と認識し始める!

– だから、自己肯定感が高まり、現実が優しく変わり出す –

脳には「自己認識」に基づいて、世界をどう見るかを決める働きがあります。
つまり、自分をどう扱っているかが、そのまま“世界の扱われ方”にも反映されるのです。

たとえば、「自分なんて適当でいい」と思いながら雑に食事を済ませたり、ボロボロの部屋で何日も過ごしていたりすると、脳はこう学習します。

「私は粗末に扱われる存在だ」

この認識は、無意識の思い込み(ビリーフ)として定着し、
その通りの人間関係や出来事を、RAS(脳のフィルター)を通して現実に“見せる”ようになります。

でも、逆もまた真なり。

  • お気に入りの器で丁寧にお茶を淹れる

  • 鏡の前で「今日もよくやってるね」と声をかける

  • 髪や肌を、やさしく触れてあげる

こうした一つひとつの行為が、脳に「私は大切にされている存在」という情報を繰り返しインプットすることになります。

このインプットが重なると、脳はやがて

「私は愛されるに値する」
というセルフイメージを更新しはじめます。

この時、脳内の報酬系(ドーパミン回路)も活性化し、
ポジティブな感情や自己肯定感、前向きな行動が自然に湧いてくるようになります。

すると、どうなるか?

  • なぜか大切にされる場面が増える

  • 不思議とタイミングが合い、物事がスムーズに進む

  • 自分の価値をわかってくれる人との縁がつながる

つまり、自分を大切に扱えば扱うほど、現実のほうも「大切にしてくる」ように変わるのです。

これはスピリチュアルでもポジティブ思考でもなく、
脳の可塑性(変化しつづける性質)と神経回路の再学習によって起こる、れっきとした“科学的な変化”。


だから、どんなに小さなことでもいい。
「自分に手をかける」ことは、あなたの脳に、そして人生に、
「私はこの世界で大切にされていい存在なんだ」という新しい現実をインストールする第一歩なのです。